このサイズを捕獲し、手でいじらずに生け簀に入れ、畜養業者に運ぶ、1匹/¥3,000だ。
クロマグロの名の由来は
遊泳している時に上から見ると背中が真っ黒く見えるので
「真黒」がマグロになった。
古い言葉ではシビ(鮪)と言って、マグロ類の総称であったが、
「死日」に通じるので忌み嫌い、マグロになった。
現在は、シビ(鮪)と言う呼び名は
地方によってマグロの種類が違う呼び名になり、
市場関係者が使う言葉になった。
東北、三陸ではクロマグロの成魚
関西、高知ではキハダ
壱岐ではビンナガ
沖縄では島によって若干、異なるがメバチを言う。
太平洋側の有名な漁場、世界3大漁場の一つに入る、
三陸沖の暖水塊の漁業で栄えた気仙沼、唐桑半島に
「鮪立(しびたち)」と言う所がある。
戦後は遠洋漁業や定置網、巻き網のマグロ漁で儲けた船主、
網元の鮪御殿が鮪立湾の丘の斜面に何件も建っていた。
この御殿を唐桑御殿とか鮪立御殿と言ったが、
震災で崩壊したり、津波で流されてしまい、とても残念である。
三陸沖の漁場は5〜11月がシーズンで
サケが南下してサケ網に入る頃に、マグロの南下が始まる。
表層潮温が16〜18℃になると沖にサンマの南下回遊があり、
それを追ってマグロやマカジキの南下が始まり、13℃以下になるといなくなる。
津軽海峡や日本海のマグロも西風が強くなる頃から、
ベイトのイカ、イナダ、サバ、サンマと供に南下を始める。
日本海のサンマは有名でないが、沖合に多くいる。
産卵で卵や白子を持っていて、脂の乗りが悪く、
出回らないが丸干し、棒寿司、飯寿司、刺身で美味しいサンマだ。
表層が13℃でも下層の20〜50mに16℃の潮温があるとボイルがあり、
12月の終わりや1月の初め、
雪が降る中でマグロがボイルするのは何か違和感がある。
雪が降る中でマグロがボイルするのは何か違和感がある。
「マグロは南の魚」とする先入観が抜けないからだろう。
凍える船から大型のマグロが跳ねているのを見ると大興奮だ!
1〜4月に産卵を意識しない未成熟の3歳以下は、
日本海では対馬海峡周辺で越冬し、
日本海では対馬海峡周辺で越冬し、
太平洋では未成熟の魚の25%前後が黒潮続流に入り、
アメリカ西海岸まで回遊して、又、日本沿岸に戻る。
居残った魚は伊豆七島周辺や紀伊半島、九州南方海域で越冬する。
産卵を意識した3歳以上の個体は帰巣本能に目覚め、
自分の生まれたエリアに戻り、産卵前の荒喰いを始める。
性成熟は3歳の4年目から始まり、4歳になるとすべての個体が性成熟するが、
すべての個体が産卵するわけではない。5歳から産卵する個体も多い。
潮温が24℃になる頃、5月に南西諸島海域から台湾東方海域で産卵が始まり、
7月には終わる。このエリアに集まる個体は大型で産卵が終わった個体が
ニューギニア島方面に移動する個体もある。
産卵後の養生だろうか?
産卵後の養生だろうか?
日本海の山陰沖から秋田沖に掛けて7〜8月、小規模だが産卵が行われている。
産卵は水面下10m前後で、集団産卵で多回産卵をする。
卵は分離浮性卵で海水温22〜27℃で、約31時間で2.8mmの仔魚が孵化する。
生まれて15日を過ぎる頃から共食いを始める。
共食いをする魚は成長が早い傾向がある。
成長は早い方だが、畜養魚はもっと早い。畜養魚とは天然の幼魚、
生まれて5〜6か月の30〜35cmを捕獲して養殖することだ。
天然魚 畜養魚
1歳 3kg 5〜10kg
2歳 10kg 30〜50kg
3歳 20kg 70kg
4歳 36kg 100kg
5歳 56kg 150kg
6歳 78kg 200kg
7歳 102kg 250kg
8歳 128kg 300kg
9歳 154kg 350kg
10歳 181kg 400kg
11歳 208kg
12歳 234㎏
13歳 260kg
14歳 280㎏
15歳 304㎏
寿命は30年近いとされているが
鱗や耳石を調べても20歳は確認されるが、
それ以上になると調べるのが難しいようだ
それ以上になると調べるのが難しいようだ
336kgのクロマグロ
大型がバイトすると並のパワーではない力でラインを出して行く、
カジキやキハダのようなスピードはないが、魚が寄る気配がない。
釣り人も覚悟して臨まないと魚にしてやられる。勝負は急がないことだ。
2〜3時間は覚悟した方がよい。200kgを超えるサイズなら4時間か?
北の漁場は50〜100mより下層が冷たいので横に走るが、
黒潮流域や南西諸島方面では600mも潜って行き、
リフトアップするのに大変で根性がいる。
300kgを釣るのに漁師が、
モーターのラインホラーで6時間かかったこともある。
モーターのラインホラーで6時間かかったこともある。